
ひっさしぶりのステアリングネタです。
いやー、
今回も例に漏れずクッソ長いよ。
クルマよりフツーにステアリングが好きなお友達のみんな、準備はいいかな?
トイレは済ませた?
コーヒーは淹れた?
おやつは準備した?
ポテチはコイケヤ派?
海苔塩は夜に一人だからこそ貪れるもの。
その耽溺たるやヴィンテージステアリングを愛でるが如し。
しかしながらやはりコンソメ味が至高だっ!!
それでは今回も張り切って行ってみよう、ステアリングマニアックス。
momoの数あるヴィンテージステアリングの中でも更に謎が深いのが純正採用されたもの達。
しかもフェラーリの様な否が応でも露出度が高くなってしまうクルマとは一線を画すマニアックな市販車に採用されたモデルは尚更で、その多くは現在となっては資料すらほとんど残っていない。
そこで実際に手に入れてみると、当時としては色々驚く仕様になっていたりする。
ダイハツ シャレード デ・トマソに純正装着されたモモステもそんな一本だ。
ここでシャレード デ・トマソについて簡単に与太る。
シャレードはダイハツが1977年に発売したコンパクトなハッチバック。
欧州車的なデザインにそれを裏切らない軽快な走りを備えながらも、手の届きやすい価格で大ヒットした。
その二代目に設定されたスポーツグレードがDe Tomaso Turbo。

イタリアの名門デ・トマソが監修し、あのスーパーカーのパンテーラと同じカラーリングを施し、カンパニョーロのホイールにピレリのタイヤ、モモステ等で内外装をカスタムしたスペシャルティグレード。
ダイハツは創業当時からイタリアメーカーとのコネクションが強い。
84年には「926ターボ」というグループBのホモロゲを取得するためのモデルが200台生産された。
926とはご想像の通り排気量で、当時のターボ係数1.4を考慮しての事だ。
その後更に「926R」というルノー5ターボの如くミッドシップ化したモデルも製作するが、惜しくも市販には至らなかった。
ダイハツは今年の東京オートサロンにてこのデ・トマソターボをオマージュしたカスタムカーを多数参考出品した。
カラーリングだけのカスタマイズだった様だが、トヨタ資本になって地盤が安泰となったのを機にどんどん面白い事をやってほしい。
そしてこの勢いで是非X4の復活を望みたい。
きっとカーマニアのモリゾーも後押ししてくれるだろう。
ダイハツというと世間一般的にはあまりモータースポーツのイメージは浸透していないけれど、実は黎明期には日本グランプリにも出場していたしラリーの活動も積極的だった。
しかしそれを他メーカーの様に広報と結びつけるのがちょっと下手だったのが残念。
デ・トマソのように面白いクルマが沢山あるのに非常にもったいない。
ここら辺は語りだすとめたんこ長くなるのでいつかまた書きたいと思ふ。
その初代デ・トマソに奢られた純正モモステが今回の一本。

スポークはフェラーリ348等に採用されたコブラタイプ。
後にユーノスロードスターにも純正OP採用されたのは有名。
径は大きめで380mm。
市販品ではまず無い大きさ。
パワステが無い旧車にはありがたいデカさ。
細いウッド系は数多あれど、ここまでしっかりとしたレザーステアリングは流用で重宝される。
ちなみに"Prototipoの370mm"なんかはボロッボロでも数万円の値が付く。
ヴィンテージでレザーで大径、太いグリップってのはそんくらい希少な存在。

84年7月製。
当時このクルマ意外に採用する予定もなかったろうし、市販品の売れ筋は350mmと320mm。
それでも特別に設えられたのはデ・トマソの人徳からかもしれない。

センターパッドが嵌められてスポークが完全に隠されていてる。
パッド付きはやはり落ち着いた上品な印象がある。
"Mario Andretti"の回でも言及したけれど、ウレタン製ながらも非常に質感が高い。
ホーンボタンにはダイハツのマークと共にCharadeの文字が薄っすらと青みがかったメッキで輝く。
momoの純正ホーンでダイハツのマークもかなりの希少品。
てかこれしか無い様な気がする。

スポーク端のグリップは"Veloce"ほどでは無いが、親指を掛けやすい形状になっている。
ここは丸っきりコブラシリーズのそれ。

綺麗に並んだステッチはなんとレッドステッチ。
今でこそ色々なカラードステッチがあるけれど、当時ではかなり珍しい。
デ・トマソの並々ならぬ拘りが感じられる。
真紅ではなくアンバーレッドの様な色合は、元々なのか褪色したのかは不明。

グリップは僅かな楕円で、例えるのならば現行の”Prototipo”みたいな具合。
レザーは張りが強くて少しツルっとしている。


スポークはこんな感じで5mm厚。
ここにもmomoの刻印がある。


パッド単体は意外に軽い。
40年以上たった今でもガタつきなどは一切無く、外すのにちょっと苦労するくらいにピッタリ。
すげー。
momoが多くのクルマで採用されてきた理由が解る。

ちなみにボスもmomo製。
こちらは鉄製でクッソ重い。
ネジが六角ではなくプラスなのが珍しい。
めちゃくちゃ硬くてひとつ潰してしまった…。
マイナスも端子が出てる。
ダイハツの純正部品なんでこれもレアパーツになるのか?
需要は無いと思うけど。

もちろんホーンの端子も二極式。

実は今回このステアリングを手に入れた目当てがこれ。
このホーンボタンが欲しかったのだ。
Myコペはエンブレムレスにしてからはシートの間のバックボードにDマークを付けていたのだが、バックボード自体を撤去してしまったのでどこかにDマークを付けたいなぁと思うていた。
そしたらたまたま目にしたデ・トマソのカタログに載っていたこのホーンボタンが目に止まる。
実際手に入れてみるとグレイッシュブルーのメッキがカッコ良い。
ホーンマークもあるので車検時もOK。
でも二極式でこのままでは汎用ボスには付かないので改造が必要。
次回はその様子をお届け予定でっす。
※こちらです→ホーンボタン解体新書
Sponsored Link br>
【ステアリングコレクションカテゴリの最近の記事】
- ・MOMO "Mario Andretti" steering wheel
- ・MOMO "Jacky Ickx" steering wheel M20340
- ・MOMO "Ronnie Peterson" steering wheel 4-..
- ・MOMO "Jackie Stewart" steering wheel onl..
- ・GrittiとTestarossa Genuineを比較
- ・MOMO "Testarossa Genuine" steering wheel..
- ・MOMO "Veloce" 320mm urethane steering wh..
- ・MOMO "Veloce"320mm urethane steering whe..
シフトノブもMOMOなので,ステアリングもMOMOで揃えたいと思っています。
私のコペンには買った時から,リアのCopenのエンブレムの下にシャレード デ・トマソのエンブレムが貼ってあります。
デ・トマソエンブレムお洒落ですよねぇ。
これぞイタリアンデザインって感じで。
ステアリングを交換するとクルマの印象がガラッと変わって楽しいですよ。
そしていつの間にやら深い沼へと嵌って…(☆∀☆)
古くい品物でも、現代でも通ずるデザインと質感。
私はNardi派で、クラシックのブラック付けてますけどステアリング変わると室内がガラッと変わっていいですよね(’’#
いやホント良いです。
Nerdiも奥が深いですねぇ。クラシックのブラックとはこれまた渋い選択ですね。
室内の雰囲気ももちろんの事、操作性も変わってクルマの性格まで変化したように感じられるので、いろいろ試すのが楽しくて仕方が無いです。
クルマを操縦する手綱であるステアリングに、様々な設計思想や意匠、更に当時の時代背景からくる事情などが込められていて、それを紐解いていくのも楽しすぎます。
こんばんは。お久しぶりです。
上質な革は牛一頭から採れる面積の約5%程と聴きます。
当時(80年頃まで)はまだ現在ほど革の需要が多くありませんでしたから、良い素材を比較的安価で手に入れられたのでしょう。
インフレも緩やかで、人件費もイタリア国内でも嵩張る事は無く、腕の良い職人がその技術を惜しみなく振るっていた時代です。
売り値段も今の感覚で言うと倍以上でしたし。
素材から工法までも含めて良いものであるのは確かで、そういう観点からも長持ちする理由を納得できます。
紹介しているコレクションが綺麗なのは、そういう奴を紹介しているからです。笑
ここで紹介しているのは一部で、やはり酷い状態の奴も多いです。
せっかく上質なものでも、使い方や保存の仕方が悪いとどう仕様も無いです。
モモは割と日和見主義というかその時その時代その需要へうまく適応してる印象があります。
なのでモデルの数も膨大だし、クオリティや仕様もまちまちだったり。
たぶんモモ本社でも把握しきれていないのではと思います。
まあ、そんなところが謎解きや宝探しの様で好きなんですけどね。
ナルディはモモに比べてワンクラス上な印象です。
自分の友達もずっと使ってます。
今のステアリングを30年後に比べたらナルディの方が綺麗な状態を保っているでしょうね。
ヴィンテージモモ、機会がありましたら是非一度握ってみてください。
初期型ヴェローチェか初期型ジャッキーイクスがナルディクラシックに近い握り心地です。